「ずつ」と「づつ」の使い分け!?どっちが日本語として正しいの?
仕事や勉強で文章を書いていると
「あれ?どっちが正しいの?」
「これで合ってる?」
と迷ってしまった経験はありませんか?
読み方は一緒なのに書き方が違うと日本語を勉強している外国の方も混乱してしまいますよね。
そこで「ずつ」と「づつ」の違いについて調べてみました。
ずつとづつの違い小学校ではどう習った!?
日本語にはややこしい言葉がたくさんありますよね。
特に英語圏に住む外国人にとって日本語を習得するには本当に難易度が高いです。生粋の日本人である私でさえも難しいと思っています。
さて本題の「ずつ」「づつ」についてですが、私自身はずっと「づつ」が正解だと思っていました。この2つは全く同じ意味となります。
「じゃぁどちらを使っても正解なの?」思いますよね。
厳密にいうとどちらも間違いではないのですが、正解は「ずつ」ということでした。
それでは詳しく解説します。
学校で習う「ずつ」と「づつ」は年代によって異なるようです。
戦後小学校に通った方は「ずつ」と習い、戦前は「づつ」と教えられていました。
日本語には歴史的仮名遣いと現代仮名遣いがあります。そもそも仮名遣いが生まれたのは鎌倉時代頃からのようです。
「づつ」という書き方は、蝶々をてふてふ、今日をけふと書いたのと同じくらい歴史的仮名遣いです。
なので、「ずつ」の方が現代仮名遣いという事になります。
後ほど詳しく解説しますが、戦後「これからは現代仮名遣いを使いましょう」となった為に「づつ」は間違った使い方とされていました。
しかし、歴史的仮名遣いを誤りとしてしまったらご高齢の方は使う表現や文化的価値の高い文書を否定することになります。
その時に「ずつ」が正しい使い方であるが、「づつ」も許容すると改められたようです。
ずつとづつは使い分けできるの!?その使用例とは?
〈ずつの使い方〉
基本的には「ずつ」を使うのが一般的ですが一部例外もあります。
1つ目の例外は同じ音が続く場合です。これを同音連呼と呼ばれます。つづく(続く)、つづみ(鼓)、つづる(綴る)などは「つ」から始まって次に濁音が続く時は「づ」を使います。
2つ目の例外は元の単語が「つ」の読み方をする場合です。
これを2連語と言います。もし「宝塚」と書く場合、ひらがなでは「たからずか」ではなく「たからづか」となりますよね。
「小包」は、「小」と「包」という2語成り立っていることがわかります。この場合は「こずつみ」ではなく「こづつみ」が正解です。
さらに「新妻」は「新」と「妻」で成り立っているので「にいずま」ではなく「にいづま」となります。てづくり(手作り)、おこづかい(お小遣い)などは元の単語が「つ」なのに濁音となった場合は「す」は「ず」、「つ」は「づ」を使います。
3つ目の例外は、「稲妻」「融通」などです。
これを先ほどのルールに照らし合わせてみると「稲妻」は「稲」と「妻」に分けられるので「いまづま」、「融通」も「融」と「通」に分けられるので「ゆうづう」となりそうですが、「いなずま」「ゆうずう」となります。
だんだんややこしくなってきましたね。簡単にまとめると上記以外は「ず」を使えば大丈夫ということです。
〈ずつの漢字〉
「ずつ」は平仮名で表記されることほとんどですが、漢字があるって知ってましたか?
漢字では「宛」と書きます。
しかし「宛」の「ずつ」はが使われることが少ないので、使っても読んでもらえない可能性があります。その為文章で書く場合は漢字を使わずに平仮名で書くことをおすすめします。
〈ずつの意味と使用例〉
「ずつ」の意味は2つあります。
①それぞれに等しく、その量を割り当てる事。
例:1人に2本ずつ与える、30人ずつのクラス編成
この場合は「ずつ」の後には動詞が続きます。「少しずつ入れる」という文は、少しの量を繰り返し入れるという意味です。
②同じ量や程度が繰り返されること。
例:1ページずつめくる、少しずつ食べる
この場合は「ずつ」の前には数量を表す単語が来ます。
広辞苑には、「ずつ」の使用例として、大鏡道長「行事二人に五十人ずつわかたせ給ひて」という古文が載せられていることから、かなり昔から「ずつ」という言葉が使われていることが分かります。
〈ずつの語源〉
「づつ」の語源は、物を数える時の音だとされています。物を数える時には「ひとつ、ふたつ、みっつ」と言いますよね?この数える時の「つ」が重なったものが「つづ」の始まりとなったようです。
「ずつ」に代わる言葉は日本語にはありません。「ずつ」を使わずに他の言葉に言い換えたい場合は、似た意味の言葉を探してみましょう。使う状況にもよりますが「徐々に」や「だんだん」を使うと良いかもしれません。
日本語としてはどっち!?ずつとづつに正解はあるの!?
日本には現代仮名遣いと言って昭和21年から内閣が告示している仮名遣いのルールがあります。
その中で「ずつ」を原則とすることが定められました。
これにより、法令、公用文書、新聞、雑誌などでの基準も「ずつ」となりました。しかし「づつ」を使っても間違いではありません。
「づつ」は歴史的仮名遣いと呼ばれて昭和21年以前に使用されていました。これ以降「づつ」は歴史的仮名遣いとして扱われるようになり、現代仮名遣いとして「ずつ」が用いられるようになったようです。
文部科学省は現代仮名遣いについての詳細を書いています。そこには「ずつ」と「づつ」はどちらを使っても誤りではない。
しかし、「ずつ」を使う方がより好ましいと説明されています。要するにどちらを使っても正解ということです。
まとめ
・戦前に習った方は「づつ」、戦後覚習った方は「ずつ」を教えられたようです。
・同音連呼や2連語のように例外になる場合もあります。
・基本的には「ずつ」が推奨されています。公的な文書、新聞や雑誌、学校での教育は必ず「ずつ」が使われています。
「ずつ」と「づつ」の使い分けは何となく使用している人も多かったと思います。私もなんとなく「づつ」が正しいと勘違いして間違って使ってたので、これからは気を付けたいと思っています。
日本語は難しいかもしれませんが、時代に合わせて変化する言語でもあります。日本人として正しい日本語を使っていきたいですね。